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不動産投資の基礎知識

これだけは知っておきたい不動産投資のリスク3つ

不動産投資のリスク
私はこの記事で、不動産投資のデメリットを忌憚なく書いていきます。私は不動産業界の営業マンでもなんでもありません。個人事業主でもなんでもなく、たんなるサラリーマン投資家なので、給与以外の副収入をできるだけ多くしようと企んでいます。いわゆるサラリーマン大家です。

どこかの物件を売り込みたいために、不動産マーケットがしぼんでいるという事実を隠して、「不動産投資とは、将来に渡って安定的な云々」を言う立場でもありません。だからこそ、リスクが大嫌いなのです。できれば、リスク「0」(ゼロ)の収益物件がほしいと思っています。
リスクゼロ

副業で稼ぐための1番のものは、「不動産投資」であることに間違いはありません。しかし、投資とは、「リスクを買うもの」です。不動産投資とは、リスクを買って収益物件を手に入れるということです。

もう一度、このブログの1記事目の「不動産投資の初心者が絶対に知っておくといい基礎知識パート1」に載せました、首都圏での不動産価格の推移の表をご覧ください。

国土交通大臣指定の公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)が発表している「首都圏不動産流通市場の動向」(http://www.reins.or.jp/trend/sf/index.html)を2004年から2014年のデータをまとめてみました。首都圏の新築戸建て、中古マンション、土地の売買取引価格と成約件数をまとめてグラフに示したものです。

「不動産投資の初心者が絶対に知っておくといい基礎知識パート1」より

その表の中でも、とくに「土地」の値段は高くなっていません。10年前と比べても高くなっていないのです。これは首都圏の土地を対象にしたものです。もしも、人口減が著しい地方の土地であれば、10年前と比べると、かなり安くなっているのではないでしょうか。

土地価格
簡単に言ってしまうと、人口減になれば、不動産需要は落ちていきます。家に住む人が少なくなるからです。日本の人口は減り続けているので、不動産需要は落ちて行っているのです。つまり、不動産投資というマーケットは拡大傾向にあるのではなく、縮小傾向にあるというのが事実です。

この点は、不動産投資を行う上での最大のリスクです。縮小マーケットに資金を投じようとする行為自体がそもそもリスクなのです。
不動産投資リスク

不動産投資自体が1番のリスク

不動産投資がリスク

10年前に買った土地(物件を含む)は、いま売ろうとしても目減りしているということが「不動産投資の初心者が絶対に知っておくといい基礎知識パート1」に載せた表からもわかります。

30%近くも下落しているということは、5000万円で取得した土地は、いまや3500万円くらいになっているということです。1500万円もの穴を埋めるための方法を私は知りません。このレベルになると、不動産投資のリスクというよりも不動産投資の「失敗」です。

(「なにが不動産投資の失敗なの?」という人は、前回の記事、「不動産投資が失敗する要因7個とやるべき対策」をご覧ください)

では、不動産価格が下がっている今が買い時なのではないか?(このセリフは、住宅販売のチラシなどでよく使われています) というと、そうでもありません。今後、日本の不動産の値段が上がるのか、また、今後の日本の経済がどうなるのかは誰にもわからないからです。

不動産投資のリスクについて何も知らないということは、交通ルールをなにも知らずに、車の運転を始めるのと同じくらいに危険です。

反対に、リスクをきちんと理解していれば(交通ルールを理解しているように)、不動産投資を恐れる必要はありません。景気のアップダウンに翻弄されることはありません。リスクとは、コントロールできるものだからです。

不動産投資のリスク

以下に、不動産投資のリスクを揚げていきますので、ひとつひとつ目を通してみてください。

不動産投資のリスク①流動性が低い

不動産を投資商品として見た場合、株や債権、金(きん)や商品先物などの商品と比べて換金性が悪いものだということはおわかりになると思います。その名のごとく「不動産」です。しかし反対に、すぐお金に換えられるものを「流動性が高い」と呼びます。ようは、売ってお金にするまでが長い時間がかかってしまうのが不動産です。

では、世の中にある現金の投資対象を、「流動性がいい」順番に並べると以下のようになります。

現金投資対象の流動性がいい順番

1.現金をそのままにしておく → 日本円でタンスや金庫にしまっておく。

現金

2.ギャンブルに投資する → パチンコや競馬などの賭け事に投資するということです。「当たれば」という条件は付きますが、投資してから現金化までの時間は、基本的に「即日」なので、流動性としては非常にいいと言えます。

娯楽

3.普通預金・普通貯金にする → 現金を銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫に預けると「預金」(よきん)と呼びます。流動性の違いはここにもあって、いつでもATMから現金を引き出せる「普通預金」が流動性が1番良く、期間を決めて現金を預ける定期預金は流動性が低いほうになります。

一方、現金をゆうちょ銀行に預けると「貯金」(ちょきん)と呼ばれるようになります。銀行の普通預金に相当するものが「通常貯金」で、定期預金に当たるものが「定期貯金」です。流動性については、「預金」と同じです。

ちなみに、JAバンク(農業協同組合)やJFマリンバンク(漁業協同組合)も「貯金」と呼ばれます。

4.株式や債権を買う → いわゆる株式投資です。取引も平日であれば毎日できますし、現金化も長くて3営業日です。証券会社のATMから現金を引き出すこともできます。

ここで言う債権とは、個人向け国債のことではなく、証券会社で売られている「社債」のことです。「個人向け国債」は、「変動10年、固定5年、固定3年など、償還までの期間が長いものです。定期預金・貯金と同じようになります。また、中途での換金は1年以上経過しなければできないので流動性としては低いものになります。

株式投資

5.不動産に投資する → 投資商品としてはなかなか換金しづらい、流動性でいえば1番低いものになります。以下、不動産の流動性の低さについてもう少し詳しく説明します。

不動産取引における「売却手続き」には、とにかく時間がかかります。「決断」事ではないからです。契約書を作成したり、場合によっては稟議書を上げたり、登記手続きに役所や法務局に出向いて申請したりで、かなりの時間と手間がかかります。

不動産が現金化されるまでの流れを簡単に示してみましょう。

不動産を現金化するときの流れ

①物件の査定(この時点で不動産会社に依頼する人が圧倒的)

②売り出す価格を決める

③不動産会社に連絡して売り出す

④購入希望者が現れるまで待つ(ここの期間が1番長い)

⑤購入希望者が現れたら条件交渉をする(購入希望者から買付証明書をもらう)※買付証明書については、「【保存版】不動産投資の進め方パート3買付証明書の書き方」を参考にしてください。

⑥購入希望者はローンを申し込む

⑦売買契約と代金決済をする ※売買契約書の詳細については、「【保存版】不動産投資の進め方パート4売買契約書」を参考にしてください。

⑧移転登記の手続きと物件の引き渡し

不動産売却
これらは、見込み客が現れてからの流れですが、見込み客が現れるまでにもかなりの時間がかかります。

次に説明する不動産投資のリスク②からは、見込み客が現れる前の状態です。不動産の売却は、購入者が現金で購入してくれる場合でも、売主の手元に現金が来るまでには、1ヶ月程度はかかります。とにかく流動性が低いのが不動産です。

不動産投資のリスク②売買コストが高い

不動産投資を否定する人の多くは、いつもこの要素を大きく取り上げます。当然ながら、不動産は買うときも買うときもいろんな費用が発生するのです。

不動産を買う時に発生する費用
①仲介手数料 ②登録免許税(所有権移転、抵当権設定) ③書士手数料(書類の作成) ④印紙税(売買契約書、金銭消費貸借契約書に貼る) ⑤銀行の手数料、保証料 ⑥不動産取得税 ⑦火災保険料

これらを全部含んで、「諸費用」と言いますが、諸費用の相場については、「【保存版】リスクを抑える不動産投資の進め方パート2」をご覧ください。

不動産を買う時に発生する費用
①仲介手数料 ②印紙税(売買契約書) ③抵当権抹消登記 ④銀行への弁済手数料

これらを合計すると、物件の売却価格の約4%です。5000万円の物件を売却した場合には、約200万円の費用がかかるということです。

物件購入の時に8%の諸費用がかかり、物件売却の時に4%の費用がかかったとすれば、合計で12%の費用がかかったことになります。買値も売値も5000万円(運用利回りの収入は無視してください)だったとすれば、約600万円の費用になります。

この物件を12年間運用(保有して貸し出す)すれば、1年あたりは1%の負担(1×12年=12%)ということになるのですが、12年後の売却価格が12%を超えて上がっている(5600万円以上になっている)のかどうかは疑問です。

もしも5年未満の保有期間だった場合には、短期譲渡ということで売却利益に対して39%の課税です。上記で言えば、600万円に対する39%なので、約234万円の課税となります。こうなると完全に赤字です。不動産投資なんてやらなきゃよかったと思う人も多いようです。

短期保有の売却にかかる税金は、所得税30%+住民税9%=39%です。
長期保有の売却にかかる税金は、所得税15%+住民税5%=20%です。

下に、不動産の売買コストを図にしてみました。よく知っておかなければいけない不動産投資のリスクの一つが、この「売買コスト」なのです。

諸費用

不動産投資のリスク③分割して売ることが難しい

不動産は分割して売ることが難しい商品です。その理由は2つあります。

<分割して売ることが難しい理由①>
宅建業法による免許取得者以外は、不特定多数の相手に不動産を販売してはいけないという法律になっています。私達のような一般人は、宅建業の免許を取得しなければ、不特定多数の相手に物件を売却することはできないです。

厳密にはこの文章中に「反復継続して」販売してはいけない、という文言が入るのですが、不動産取引の定義では、

1)自ら当事者として「売買」「交換」
2)他人間の契約を代理して「売買」「交換」「貸借」
3)他人間の契約を媒介して「売買」「交換」「貸借」

と書いてあります。不動産を一括で不特定多数の相手に売却したのであれば不動産「業」とは見なされず、罰もないのですが、分割してだんだんと売却していった場合には「反復継続」とみなされ不動産「業」に充当してしまいます。不動産投資した物件の一部を分割して売ることは法的になかなか難しいのです。

反対に、宅建業法の免許を持っていれば問題はありません。宅建業法の免許を持って、広い土地を購入し、分割して転売すれば、転売するごとに手数料も入り、かなり儲けることができます。

ここから不動産取引の原則が導き出されます。

不動産取引の原則
・区画が大きくなるほど単価が下がる
・区画が小さくなれば単価は上がる
・つまり、建売業や分譲住宅販売業は儲かる

また、不動産の一部を売却することでの問題は他にもあります。

それまでの既存の建物が違反建築になってしまう

という問題です。これは、金融機関のローンが付かなくなったり、建て替えの時に大きく予定を変更しなければならないという副作用的な問題も抱えることになるのです。このあたりについては、機会があれば後に詳しく書いていきたいと思います。

<分割して売ることが難しい理由②>
物理的に不可能な面が以下です。

1.建物を切り離すことができない
2.分割したそれぞれの区画に、適法な接道の確保ができない
3.排水と給水経路の確保ができない
4.新しい区分の建物との避難経路の確保ができない

不動産の分割

まとめ

不動産投資のリスクについて、大きく3点を挙げてみました。①流動性が低い、②売買コストが高い、③分割して売ることが難しい、という3点が、不動産投資のリスクです。つまり、不動産投資は主に「売るとき」が1番大事ということです。

そして、リスクとは、知っていればコントロールできるものです。不動産投資を始めたのはいいけど、いざその物件を売却(投資では「エグジット」と言います)するときに損をしないように十分にリスクを把握しておきましょう。

リスク以上に、「失敗」の要因になることについては、前回の記事「不動産投資が失敗する要因7個とやるべき対策」に書いておきました。この記事と併せてご覧いただければ、不動産投資の「危ない点」について理解できると思います。

この他にも、不動産投資の見づらいリスクを以下に付け加えておきたいと思います。

不動産投資の見えづらいリスク
・不動産物件情報には、いわゆる「話」ばかりが多い → 不確定要素が多い段階で物件情報が出回るのでこうなります。
・不動産業界がオープンではない → 不動産についての知識が多い人の周りだけで、優良な物件情報が流通しがちです。
・怪しい話も多い → 以前の記事でも書いたように「不動産はせんみつ」です。
・不動産投資はつまらない → とくに物件管理の段階になると、不動産投資はドラマチックな展開はなにもないのでこうなります。「つまらない」ということで、投資運用に手を抜かない忍耐が必要です。

以上、「これだけは知っておきたい不動産投資のリスク3つ」でした。

作成者: 安藤五

不動産個人投資家 安藤 五(あんどういつき)

10年以上前になりますが、株投資で大失敗しました。マーケットに翻弄されるとはまさに自分のことです。日々アップダウンを繰り返す株式相場で資産を作るには、相当のラッキーが起こるか、かなりのプロフェッショナルでないといけないことを身に沁みて痛感しました。当時勤めていた会社も辞めました。家族も失いかけました。

そして、経済市況や政治政策やそんな他人が決めたことに振り回される人生はイヤだと思いました。
そこで辿り着いたものが不動産投資です。これに辿り着くためには、とにかくたくさん勉強しました。不動産関連の本を読み漁り、ネットやブログはもちろん、人脈を駆使して成功している不動産投資家に直接話しを聞いたり、不動産仲介業者から直接勉強したりもしました。

また、金融機関の融資担当者にも何度も面会を試みました。そして、それまで持っていた固定概念を捨てました。素早く儲かるものは失うものも早いです。

でも不動産は違いました。売らない限り自分の手元からなくなることはありません。ある日紙切れになってしまうということがないのです。株投資の世界ではたくさんそういうことがありました。

もちろん儲けはゆっくりです。不動産投資はしかし確実です。リスクが少ないと言っていいと思います。さらにいいことには、家族に安心をプレゼントすることができました。不動産投資をすることによって、家族に安心をプレゼントできたのです。

不動産投資に舵を切って、なんだかんだかれこれ10年が過ぎました。
もちろん最初のころは上手に物件が買えない、とか、経費がかかりすぎて運営が上手くいかないという物件もありました。しかし、不動産は強いです。
自分のテコ入れ次第でリカバリーが効くのです。失敗しないように持っていけるのです。

これらの経験を踏まえて、これから不動産投資をする人のなんらかの糧になればと思ってこのブログを書いています。しなくてもいい経験はしないでもいいと思います。他人のフリ見て、我がフリ直せればそれでいいと思います。ですので、体験談もできる限り織り交ぜて書かせていただきます。私が失敗しそうになった経験と上手くいった経験を余すとこなく紹介していきます。

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